地方在住の画家が企画展(グループ展)を開催してみました

1年前に横浜の企画展に参加して
「地元でもこんな展示会開催してくれないかな」

と思っていたのですが
待てど暮らせど
誰も開催してくれる気配が無いので
自分でやってみることにしました。

関東関西エリアのギャラリーで開催される企画展(グループ展)

今まで、横浜・東京・京都・群馬での
企画展に参加しました。

10名~の企画展でギャラリー内の
1人1スペースを借りての展示だったり

1人1点~3点の展示だったりといろいろですが
共通するのは

お互い殆ど知らない作家同士が
各地から参加し

行ける人は会場へ行き
行けない人は委託で参加

自分の在廊出来るときに在廊し
同じ日に在廊した人同士が

交流を深めるきっかけを作れる
というもの。

熊本で企画展(グループ展)を開催してみよう

地元にも絵を描いている人は意外と多く
個展を開催している画家さんも多いものの

あまりカジュアルな感じではなく
伝統的でどこか高尚な世界という印象。

地元の美術館や行政や企業がやる公募展には
美大卒の方々やアマチュア画家など
驚くほどたくさんの参加者がいるのですが

それぞれが積極的に個展やグループ展を
開催するのかと言えば
そういう印象はほとんどなく

開催したとしても殆どうちわでの告知にとどまり
展示する本人のことを直接知っていなければ
その人の絵を見る機会が無い・・・・・

「私の絵なんて大したことない」
ということなんだろうけど

そんなこという人はたいてい上手い

私の理想は、アマチュア画家や
駆け出し画家同士でなるべく頻繁に
展示する機会を作って

絵自体がもっと身近で気軽なものとして
季節ごとに模様替えするみたいに
日常に溶け込むものであってほしい
ということ。

絵は美術品ではなくインテリアだということ。

展示までしておいて身内にしかお披露目しないなんて
それはもったいない!!!

趣味とはいえコツコツ描き続けているなら
定期的に発表しましょうよ!

「あなたの絵が好き」
「あなたの絵だから飾りたい」

という人は必ずいる。

私も「定期的に」発表したいし
そんな人に絵を観てほしい
力を貸して欲しいな。

企画展(グループ展)のためのギャラリーを探して交渉

そんな思惑を抱きながらギャラリー探し

というか以前展示したところにしようと
最初から決めていたのですが

「企画展」という名の
全く知らない人を集めてのグループ展

おそらくどんな展示になるのか
想像がつかないだろうということで
人生初の企画書を作成


「こんな企画展をやります」というのを
事前にSNSや知人に告知して
数名の方の参加が確定していたので

それも含めて企画展の全体像と
実際に使用する募集要項を見せ
大まかに説明して

ギャラリー側の許可を得て
無事に契約完了! することが出来ました。

企画展(グループ展)募集要項を作成

ギャラリー側に説明するために既に
作成済みなのですが

いちおうどんな内容なのかを
おおまかに説明すると

・企画展名
・企画展の日程、期間
・企画展開催の場所
・1人分の展示用スペースと展示方法
・搬入搬出日と設営日
・自分で搬入搬出、設営の有無(委託か否か)
・委託の際の搬入搬出の方法
・展示に関する禁止事項
・申し込み時のお問い合わせ先

等々、
こんな内容を細かく明記し
「募集要項」としました。

実際、全部自分でやるので
ギャラリー側の手間はほとんどなく
「送られてくる作品の受け取り」と
「私が在廊していない間のお客様対応」
なのですが

いちおうこういうのやります
という意思表明みたいなものです。

企画展(グループ展)を主催する側として参加費の設定方法

募集する際に一番悩んだのが
1人当たりの参加費用

単純に真っ先に思ったのは

関東関西を中心に活動している
作家はもちろん

それ以外の地方に住んでいる人が
同じく地方の熊本
わざわざ展示するメリットはあるのか?
ということ。

福岡ならまだしも、熊本。

ということで、価格は全体的に
他より抑えめにしてみました。

私が実際にやってみた企画展(グループ展)募集の方法

これは、SNSをやっていることが
前提ではあるのですが

日本中の画家やイラストレーター
ギャラリーや美術協会の方などと
繋がることが出来るので

こちらを活用しました。

地元では絵を描いている人に直接聞いてみたり
紹介してもらったり

展示するギャラリーさんにお願いして
募集要項を置かせてもらったり・・・・・。

記念すべき第1回目の企画展
『眠れる秋の夢 展』

出展作家様は
SENA さん  Twitter「@sena77aa」
宮原泉(櫻泉)さん  Twitter「@izumi_sakura394」
南清さん
淕月さん   FB「www.facebook.com/rikuzuki」
新井ユミさん FB「www.facebook.com/yumiko.arai.9843」
きみさん
かみやみか  Twitter「@22yamika」

結果的に私を含めて7名での展示となりました。
こんな感じ
↓↓↓

企画展(グループ展)開催を知らせるための案内状作成

案内状に記載するのは

企画展名、日時、場所、展示で実際に飾る絵の画像
どんな企画(グループ)展か、

今回は募集を開催ギリギリまで受け付けていて
募集途中だったこともあり

「日本各地で活動中の様々な画材、技法の
画家の作品を集めたかみやみか主催の企画(グループ展)」

というかたちで作成しました。

「ペイントツール」で会場周辺の地図を作り
「写真編集ソフト」を使用して
メインの作品の画像を取り込み
企画展名、その他の文字を入れ
宛名面の隅に地図を入れて完成。

自宅でプリンターで印刷する方法もありますが
枚数次第では業者に依頼した方がお得です。
こんな感じ ↓↓↓


今回は宛名面に地図を入れましたが
「小さすぎて見えない」と不評でした。

企画展(グループ展)設営時に必要になりそうな備品を準備する

多くのギャラリーでは
壁紙を傷めないよう、画鋲やピン、両面テープ
等の使用は使用は禁止となっています。

そのためキャプションを付けるための
「ひっつきむし」や

委託で郵送、配送されてきた荷ほどきで
必要になる、カッターやハサミ、付箋

芳名帳用のノート、ペン、メッセージカード
卓上用のミニイーゼル等もあると便利。


あと、販売対応を自分で行う場合
あらかじめ釣銭の準備をしておく必要があります。

小銭は多めに、領収書もいちおう準備
売り上げ合計が5万円を超える場合は
収入印紙印鑑(シャチハタ不可)
も必要になります。

念のため収入印紙は少なくとも1枚は
用意しておくと安心です。

設営日に会場へ着いてから足りないものに気付く
なんてことにならないように
何が必要になりそうか
シュミレーションして準備は万端に。

搬入日と設営は手際よく

設営で与えられている時間は2時間ほど。

15:00~17:00の予定でしたが
当日まで別の画家さんの展示されていて
搬出が少し遅れていたため
16:00~18:00に変更になり
少し早めに着いていたため
気持ち的には余裕がありました。

時間になり
ギャラリーに届いていた委託分の作品を
会場へ運び(ギャラリー会場は2階、
ほとんどスタッフさんが運んでくれ助かりました)

自分の作品を運んで、まずは梱包をほどく作業。

これがなかなか大変。

見事に全員、梱包方法が違うのです!

梱包材で保護された作品が
大きな段ボール箱に動かないように
ぎっしりと詰め込まれているのは
基本的にはみな同じなのですが

箱の外側からの見た目!!

どんなふうに違うのかは
説明するのがなかなか難しいのですが
ガムテープの貼り方とか
紐の使い方とか結び方とか

それぞれの方の作品に対する愛情はもちろん
おそらくこれは性格なのか?
という部分まで伝わってくるのです。

梱包を解きながら
「私は今、もの凄く貴重な経験をしている」
という実感と感動に浸るひととき

自分が企画展に参加し作品を送ることも
あるため、この体験は大きな学びとなりました。


作品を箱から出し、作家ごとにいったん並べ
実際に会場に入って出るまでを想像しながら
どんな順番で絵が並んでいたら
楽しく最後まで飽きずに観られるか
メリハリの利いた展示になるかを
何度か順番を入れ替えながら

【色の無い世界~色づき始める朝~
賑やかな昼~落ち着き始める夕~夜へ】

というイメージで展示が決まり
ピクチャーレールに吊るし
ここでギャラリーの責任者の方が来てくださり
作品のバランスを見ながら固定し
なんとか設営は終了しました。

段ボール箱や梱包材は
ギャラリーさんのご厚意で
最終日まで預かってもらえたので

箱の中に梱包材をそのまま詰めて
各作家様ごとに分けて保管。

展示期間中のお客様対応

私はもともと接客業なので
この辺りに大きな不安は無いのですが

慣れない方には難しいと思うので
だいたいこんな感じというのを
お伝えしようと思います。

基本的にはご挨拶と自己紹介
各作家と作品の簡単な説明
です。

それ以外ではお客様とは適当な距離を置き
自身は他の作家さんの絵を眺めながら
さりげなくお客様の様子を伺いつつ

目があったらニッコリ^^

質問があるときは
向こうから話しかけてくれるので
それまでは笑顔で立ってるだけです。

ひととおり観終わったかしら?
と、思ったら

「お礼状と次の展示の
ご案内をお送りしますので^^」

などと言いながら
芳名帳に記入をお願いしてみます。

作品を購入してくださった場合には
自分のポストカードの中から
お好きなものを選んでいただき1枚プレゼント
してみるのも良いと思います。

最後はお礼を伝えつつ
会場出入り口までお見送り

という感じです。

自分がお客だったら
どういう対応をしてもらえると
嬉しいかな?

ゆっくり落ち着いて
鑑賞できるかな?というのを
想像するとイメージしやすいのでは
ないでしょうか。

搬出作業も手際よく、速やかに

展示終了の時間が来たら
まずはグッズや小さめの作品から
片付けを始めてしまいましょう。

各作家スペースごとの
小さめのものをある程度片付けて
端の方にまとめておくと
あとは大きな作品を箱に収めるだけなので
時間が迫って焦ったとしても
サクッと終わるので安心です。

ギャラリーの閉店時間があるので
あらかじめ最終日の展示時間は通常よりも
2~3時間ほど早めに設定。

委託で参加された方の作品は
全て自宅に持ち帰り
集計作業をする必要があるため
持ち運びに支障のない範囲の
最低限の梱包で済ませ
速やかな撤収を心掛けましょう。

企画展(グループ展)終了後にやるべきこと

今回、企画展を主催した側として
一番大変だったのが

「展示が終わった後」です。

少なくとも1週間は
自分の絵を描く余裕が無い・・・・・

各作家様ごとの売り上げ金、
在庫作品数の確認、集計作業があります。

売上金が発生していた場合は
連絡をして振込先を指定してもらい
後日、振り込みをします。

集計が終わったら
あらためて丁寧に梱包をしなおします。

作品が箱の中でずれたりしないよう
緩衝材を使用して固定し
なるべく来た時と同じような状態にして
(届いた時の状態を撮影しておくと便利)
郵送、配送をします。

他には、
芳名帳に記入をしてくださった方への
お礼状の作成ですが

お礼の文章を作成した後
展示当日の写真を添付し
データを送り印刷自体は
こちらも印刷業者にお願いしました。

初めての企画展(グループ展)開催、感想

今回、ほぼ思い付きで開催した
企画展ではありましたが

有難いことに、以前ご一緒したことのある
作家様が参加表明をしてくださったり

地元で声をかけた方にも
最初は警戒されましたが(^^;)
良いお返事もいただけ

その後もSNSを通じて
参加申し込みをしていただけたり

ちゃんと展示が成立する人数が
集まるのか不安でしたが

結果としては大好評で
SNSを見て来て下った方に
お会いしてお話をしたり

「こんな展示会は初めて」
「絵って、こんなにいろんな種類があるのね」
「来て良かった、癒された」

など、たくさんの声をいただく
こともできました。


今回参加した7名の作家による
それぞれ違う画材・技法で描かれた
1粒で7度美味しい展示会

人生初の企画展示会に
多くの方がお運びくださり

楽しんでいただくことができ
やってみて良かったなと思いました。

お越しくださった皆様にも
ご参加くださった作家の皆さもにも
あらためて感謝申し上げます。



最後まで読んでいただき
ありがとうございました。

【おまけ】展示の様子はこちら ↓↓